日頃の学習活動

森林科学科の様子

胆振東部地震の現場などを視察

10月24日、森林科学科2年生は、胆振東部地震で山崩れによる甚大な被害を受けた山林をどのように再生しているのか、その現場を視察に行ってきました。

現場は、安平町瑞穂ダムの上流で、元々広葉樹の天然林だったところです。空知総合振興局林務課の西村様より、被害の規模や状態や再生までの順序を説明していただいた後、胆振森林室の皆様にも加わっていただき質問の時間となりました。そして、再生にどれだけの手間や予算がかかっているかということを知り、改めて地震の被害規模がいかに大きかったのか、そして、その現場に足を踏み入れることができた貴重な体験であることを改めて実感しました。

その後、現場を少し歩き、平坦地にはトドマツ、斜面にはカラマツというように樹種を使い分けていることを確認したり、ドローンで上から被災地の様子を広域的に見せていただきました。また、再生に関わる北海道職員の皆様の仕事についても知ることができました。

午後は、二酸化炭素をより吸収する樹種として注目されているクリーンラーチの採取園を視察させていただきました。カラマツとグイマツの交配種であるクリーンラーチですが、苗の生産が追いついていないことや、クリーンラーチとはどのようなものか、どのように種子の採取を行うかなどの説明と観察を行いました。

全体を歩いて、カラマツとグイマツの母樹を確認したり、見分け方などを教わりましたが、まだ種子ができるまで10年ほどかかるため、樹木の命の長さを実感しました。

また、今回の視察は、株式会社北海道アルバイト情報社様によるコーディネートにより、実施することができました。毎回、色々な方々に大変お世話になっております。この場を借りてお礼申し上げます。

 

樹木診断出前授業を実施

10月16日、森林科学科2年生は株式会社森林環境リアライズの方々をお迎えして、樹木診断についての出前授業を受けるという貴重な機会を得ました。

樹木医の池ノ谷様のからの講義の後、実際に校内にあるシダレヤナギ3本を実際に診断しました。目視で教わった診断ポイントを基にして、3本中最も危険度の高い木を推測します。その後、最も危険度が高い木について、空洞や腐朽、根本の空洞などと、詳しく観察していきます。樹幹をたたいて音から内部の様子を推測したり、根本の空洞を確認するなどを体験させていただきました。

最後には、木材の硬さを図る高価な機械の使用法を見せていただき、樹幹内部の様子をモニターで観察させていただきました。

天気は雨模様で、少し作業しにくい環境でしたが、樹木診断という難しいテーマでも、自分たちに取り組める内容があるということを知るよい体験となりました。

 

 

 

 

 

 

 

【森林科学科】森づくり勉強会に参加

 10月20日、空知総合振興局森林室が主催する令和7年度森づくり勉強会に森林経営班3年生4名が参加してきました。テーマは「スマート林業」です。作業の効率化や労力軽減のためには、森林林業の分野でもICTの活用は不可欠です。

 まずは、ipadを使っての森林調査を体験。演習林では輪尺やワイゼ式測高器、超音波測高器を使っていますが、mapryというソフトを使うと画面をかざすだけで、胸高直径や樹高を測定することができるという優れものです。

 

 続いて、GNSS測位による位置情報を活用した植栽体験です。GISソフトで設定した場所に植栽用の機械を誘導し、決められた場所に苗木を植栽します。こちらは思ったよりも機械が重く、植え穴をあけることに苦戦しました。 

 この日は、道内各地で初雪のニュースがあり、会場となった芦別市でも遠くの山には雪が見えました。 地元の林業事業体や市町村の皆様と一緒に勉強会に参加し、新たな刺激を得ることができました。今後の専攻班活動に活かしていきましょう!

 

【森林科学科】3年生演習林実習の調査活動

 9月26日、10月3日と2週にわたって3年生の演習林実習が行われました。3年生の演習林実習は、4つの専攻班に分かれてそれぞれ自分たちが設定した課題の解決に向けて活動を行っています。今回は森林経営班の活動についてご紹介します。

 森林経営班では、月形演習林のトドマツ人工林において、樹木の伐採後に、自然の力を使って森づくりをする方法について研究しています。

 こちらの画像は、360度カメラを使って森林の写真を撮影し、どのくらい上空が開いているのか(開空度)をフリーソフトを使って解析していきます。

   森の明るさとその林床に生える稚樹の関係について調べています。

 こちらはトドマツ人工林内にどのくらい広葉樹が侵入しているのかを調べています。半径5mの円を設定し、その中に入るすべての樹木の直径を測定し、GPSで位置を記録していきます。

   普段行かないような奥の森まで進むと、何本もの萌芽枝(ひこばえ)が出たホオノキに出会いました。この株の大きさ、普段手入れをしている森ではなかなか見たことがありません。

 3年生の演習林実習も残り1回となりました。最後まで、怪我なく安全第1で実習を終えましょう!

【森林科学科】2年生による木材加工実習

 夏休み明けより2年生は、卓上丸鋸やルーター、電動サンダーなどの電動木工機械を利用した木材加工実習を少人数グループで行っています。

 先輩たちが伐倒、製材したトドマツ材をルーターで面取りします。  

 つづいて、電動サンダーで材を磨きます。

 卓上丸鋸で、角度をつけ、決まった長さに材をカットします。最後にレーザー加工機で印字を行います。

 作っているのはこちら。本校のオリジナルマークの入ったペン立ての製作キットです。

 今年度、公益財団法人 日本教育公務員弘済会 北海道支部様より依頼を受けて、ペン立てキットを製作しています。商品のお届けまでもうひと頑張りです。