日頃の学習活動

森林科学科の様子

【森林科学科】2年生視察研修を実施

11月14日、森林科学科2年生は視察研修として美唄市にある北海道立総合研究機構 林業試験場と江別市にある森林総合研究所 林木育種センター北海道育種場を訪問しました。

林業試験場では、「樹木の香りについて」「森林害虫について」「発芽能力の優れた種子を取るために」をテーマに4名の講師の方よりお話をいただきました。

樹木の葉に水蒸気をあて抽出したフローラルウォーターには、鎮静、覚醒、幸福感など様々な効果があります。皆、思い思いの樹木のブレンドでオリジナルの香りを持ち帰りました。

害虫について、種子の採取についても、森林林業にまつわる最新事情のお話が多く、皆積極的に質問をしていました。

林業試験場にあるメタセコイヤも綺麗な黄金色に。

午後から林木育種センターに移動し、北海道における林木育種についてお話を伺いました。

トドマツやアカエゾマツはさし木が難しく、接ぎ木での繁殖が一般的とのことです。

12月からは、2年生も専攻班活動が始まります。今回の経験を今後の研究活動に生かしてほしいともいます。

【森林科学科】2年生 秋の苗畑実習

長く厳しい北海道の冬に備えて、森林科学科の苗畑では晩秋のこの時期に様々な実習が行われます。

【仮植】

昨年、種まきをしたコナラの苗木を、冬の寒風や積雪から保護するために仮植を行いました。数年後には校地内に植栽し、20年後にはシイタケ原木となる予定です。

【ニオイヒバの冬囲い】

駅前通りに面したニオイヒバの生垣が雪で枝折れしないように冬囲いを行いました。

【トドマツの製材】

演習林実習で自分たちが伐倒し、山から運んできたトドマツの製材を行いました。製材機は今年入ったばかりの新品です!

丸太から4面を落とし、角材にしていきます。

製材した材は、1年間乾燥させ翌年の木材加工実習で使用されます。

【薪割り、チップ化】

製材で出た端材は薪割り機にかけ細く割り、さらにチッパーにかけ、細かく砕きます。

細かく砕かれた木片(チップ)は、見本林の通路や演習林のぬかるみに敷き詰められます。伐倒した丸太は、板材、チップと姿を変え、無駄になるところがなくすべて有効活用されます。

これにて、外での苗畑実習もひと段落。

次は木材加工実習が本格化していきます。

【森林科学科】放課後木工実習の様子

1年生の放課後実習では、3日間をかけた手工具による木箱の木工実習を行いました。

0日目:板材にのこぎりを入れる線を引いていきます。(事前に授業内で実施します)

1日目:線に沿って、材をのこぎりで切り取ります。次にカンナで材の角を少し落とす面取りを行います。その後、底板に釘を打つ位置をはかり印をつけます。カンナの刃の出し方に苦戦しました。

2日目:昨日切った板には、木を組むための切り取り位置が書いてあるので、その線に沿って切り取っていきます。この日はノミを使います。これで部品が出来上がり。木を組んで、四角い枠の状態にします。ボンドを塗り、固定してボンドが乾くまで置く。がたつかないように調整するところが大事。

3日目:底板をボンドと釘を使って取り付けます。最後に紙やすりで仕上げて完成。後半はヤスリでこする音だけが部屋に響きます。出来上がった箱の評価が終わったら、工具箱の中や周辺の最終清掃と器具点検をして終了となります。出来はまちまちですが、せっかく苦労して作ったので、大事に使ってあげてください。

 

【森林科学科】1年生 秋の演習林実習より

秋が深まり、演習林実習もひとまず一段落となります。そこで、1年生の秋の演習林実習をご紹介します。

①森林調査(10/9)

 森林の構造を知るために、一定の区画の中にどのように樹木が分布・生育しているかを調べる実習です。正方形の区画のどの位置に何の木があって、どのくらいの太さでどのように枝葉が広がっているのかを1本1本調べていきます。と書くと難しそうですが、みんなで協力すればさほど辛いこともありませんでした。協力することの大切さや楽しさも感じとることができる実習となりました。帰ってからのデータ整理は結構大変ですが。写真は木の位置を測っているところです。これ以外にも記録係や木を揺すって枝先の位置を教える係、照度を読み取る係など色々な仕事を分担していました。

②丸太運搬(10/28)

2年生が伐倒実習で伐った木を森に残せば、いずれ分解され土に還ります。でも、それではCO2も減らない。同時に、木材は木工実習などの大切な資源でもあります。ですから、これを運び出す必要があるのです。

要は力仕事です。古くさい内容かもしれませんが、写真を見ると、結構みんな楽しそうなのです。

 

【森林科学科】1年生視察研修in新十津川町

10月30日(水)森林科学科1年生は、森林資源を有効に活用した環境対策の好事例として新十津川町の各施設を見学してきました。

初めに新十津川町役場を訪れ、地元の木材を使用した町議会議場等庁舎内を見学させていただきました。とても綺麗な庁舎で、かつ木のぬくもりが上手に生かされているのを感じとることが出来ました。

次に、株式会社北海道アルバイト情報社様のカラマツ社有林に向かいました。各齢級の人工林の違いなどを確認しながら歩きます。その後、天然林を残した遊歩道で、綺麗な風景を見ながら、色々質問させていただきました。演習林とは違った樹種や土壌の踏み心地など、同じ山でも新鮮な体験となりました。

続いて、町内でチップ製造を司る株式会社 幸稜様の製造工場の中を拝見し、チップの材料や製造工程や規格の違い、会社の社会的役割などを話していただきました。すごい勢いでチップが出てるところを見せていただきました。最後には、社会人としての心構えや考え方、生きがいなど、若い生徒への激励と感じられるお言葉もたくさんいただきました。

このチップの重要な行き先のひとつが、新十津川町熱供給センターです。ここでチップを熱源として、公共施設の暖房や給湯に生かす施設で、森林を沢山抱える新十津川町ならではのエネルギー対策です。配管の断熱性の優秀さなどに生徒は感心していました。

1日をかけ、森林を維持しそれを生かしたまちづくりを見学させていただきました。森林の大切さや可能性について、色々学ぶ良い機会となりました。

充実した研修の場や見学や説明などをいただきました各施設の皆様方、また、色々な面でご支援をいただきました、北海道森と緑の会様、空知総合振興局林務課の皆様、ありがとうございました。